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五島の水産業及び海洋環境学習会の開催(海の日サポート)

2015.12.03

1.事業の実績

(1)事業名

①クロマグロの完全養殖と西海国立公園
②再生可能エネルギーと科学体験学習

(2)事業実施背景

しまの豊かさを創造する海洋都市“五島市”は、美しい海と緑豊かな自然環境に恵まれ、これらの豊かな資源を活かした農林水産業とともに発展してきました。しかし、現在は離島という厳しい環境の中で、根幹産業である第1次産業の低迷などによる雇用の場の縮小、過疎化による人口減少が続いております。そこで地域活力の向上をめざすべく、海洋の豊かな地域資源を最大限に活用するために、西海の好漁場を活用したクロマグロの養殖や風力発電、潮流発電等の海洋再生可能エネルギーの振興に取り組んでおります。

(3)事業実施目的

今事業を通して、五島の将来を担う市内の小、中学生を対象に、五島の美しい海、緑豊かな自然環境に触れてもらうこと、そして五島市が取り組んでいる海洋資源を活用した地域振興策を体験、学習してもらうことで、五島の海のすばらしさを伝え、将来を担う子供たちが誇りを持って引き継いでいける島作りを実現したい。

(4)実施日時と会場

①【事業名:クロマグロの完全養殖と西海国立公園】
日時:平成27年8月2日(日)9:00~15:20
会場:荒川集会所および玉之浦・嵯峨島周辺の海域
②【事業名:再生可能エネルギーと科学体験学習】
日時:平成27年9月11日(金)9:00~15:10
会場:椛島および崎山地区

(5)参加人数及び参加者の内訳

①【事業名:クロマグロの完全養殖と西海国立公園】
・参加者:中学生4名、小学生19名、大人(保護者)22名 計45名
・講師:1名
・スタッフ:36名
・総勢:84名
②【事業名:再生可能エネルギーと科学体験学習】
・参加者:小学6年生46名、小学校中学校教員10名
・講師:1名
・スタッフ:11名
・総勢:68名

参加者合計:101名 総勢:152名

2.事業レポート

(1)クロマグロの完全養殖と西海国立公園

①主な内容
・マグロについての講義
・クロマグロの養殖いかだ見学、餌やり体験
・マグロ丼の試食
・五島の海についての講義
・海岸地形見学

②当日のスケジュール
9:00~9:20   開会式
9:20~9:50  マグロについての講義(説明者:(株)ツナドリーム五島所長 高橋氏)
9:50~11:00 クロマグロ養殖と海洋環境改善の体験学習(海上)(説明者:(株)ツナドリーム五島所長代理 中村氏)
・種苗センター見学
・クロマグロ養殖いかだ見学、餌やり体験
・赤貝養殖見学
11:00~12:00 マグロ丼の試食会(昼食)・昼休み
12:00~12:40 五島の海についての講義(講師:九州大学准教授 清野氏)
12:40~15:00 海岸地形の見学会(海上)
・嵯峨島~大瀬崎灯台のクルージング
15:00~15:10 海岸地形についての復習会
15:10~15:20 閉会式

【開会式】

当日は暑い中、市内の親子45名の参加がありました。

【マグロについての講義】

(株)ツナドリーム五島の高橋所長によるマグロについての講義。
子供たちも真剣な眼差しで聞いていました。マグロについて詳しく学べました。

【クロマグロ養殖と海洋環境改善の体験学習】

エサのサバを投げると、マグロが水しぶきをあげてサバを食べる様子に子供たちは大興奮の様子でした。
目の前にサバを投げてしまい、マグロに水しぶきをかけられてしまった子もいました。
海洋環境改善の取り組みとして行われている赤貝養殖についても見学しました。
なぜ貝の養殖が環境改善につながるかなど、(株)ツナドリーム五島の中村所長代理から
説明していただきました。

【マグロ丼の試食会】

昼食は午前中に見学した五島産クロマグロを用いたマグロ丼を試食しました。
会場には笑顔があふれ、皆さんあっという間に完食していました。
このマグロ丼は地元荒川の方々に作っていただきました。

【五島の海についての講義】

午後からは、五島の海について九州大学の清野准教授の講義を聞きました。
五島の自然と魚や漁業との関係について学習することができました。
午前中のマグロとも関連する話もあり、復習にもなりました。

【海岸地形の見学会】

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嵯峨島・大瀬崎灯台周辺をクルージングし、海岸地形を見学しました。
海上から間近で見る複雑な地形やきれいな海に皆さん感動していました。
その後、集会所で清野先生によるまとめの講義を行った後、閉会となりました。
当日は天候も良く、ケガ等も発生することなく、無事イベントは終了しました。

(2)再生可能エネルギーと科学体験学習

<全体事業スケジュ~ル及び内容>
・主な活動 ア.水素船製造施設見学
イ.浮体式洋上風力発電施設船上より視察
ウ.燃料電池船・EV車試乗体験・MCH回生施設視察
エ.「再生可能エネルギ~と科学」小森栄治先生による体験学習
参加者:68名(五島市内小学6年生46名・教員10名・スタッフ11名)

~タイムスケジュール~

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<活動状況>

■実施場所

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■開会式

・初めての4校合同の活動という事もあり、ワクワクドキドキの一日が始まりました。

・福江港から海上タクシーに乗り、「椛島」を目指します。
・海も最高のコンディションで迎えてくれました。

■①水素製造施設見学 案内:戸田建設㈱西田氏
・浮体式洋上風力発電の電力により水の電気分解を行い、水素を製造する施設です。
・難しい話でしたが、みんな真剣に聴いていました。

■②浮体式洋上風力発電施設船上より視察
・間近で見る全長172m(ロータ直径80m)の海に浮かぶ風車「はえんかぜ」は想像以上の迫力で、とても浮かんでいるとは思えないほどの安定感です。
・みんな船の甲板に出て大はしゃぎ。船酔いも吹き飛びました。

■③燃料電池船・EV車試乗体験・MCH(メチルシクロヘキサン)回生施設視察
・日本初の燃料電池船試乗です。燃料電池船に乗った小学生は「君たちが日本で初めて」という説明を受けてみんな大興奮。
・いざ、乗船すると、ガソリンの臭いもなくエンジン音もなく、ただ静かに進む船に興味津々です。みんながはしゃぐ声が船が港から遠く離れても、響いていました。

平成26-27年度「(環境省)CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業 小型船舶の低炭素化〔燃料電池〕の技術開発・実証は、(環境省)浮体式洋上風力発電実証事業と連携し、余剰電力により生成した水素の活用方法の実証事例として、小型船舶をモデルに、燃料電池を利用した低炭素型小型船舶を製作し、実証することで、小型船舶の低炭素化の促進と海洋再生可能エネルギーの普及促進に資することを目的としています。

・続いて電気自動車の試乗体験。島内には100台以上の電気自動車がありますが、ほとんどがレンタカーのため、初めて乗る生徒がほとんどです。
・燃料電池船同様に音がなく、スピードを上げても快適さは変わりません。

・続いてMCH回生施設見学です。MCHから電気を作り、沸かした足湯にみんな入りました。
電気という目に見えないものを作り、運び、使用するという過程を見て体験することで実感できました。

MCH(メチルシクロヘキサン)回生水素の利活用
椛島で製造したMCHを福江島まで定期船で運搬、MCHを脱水反応器を使って水素とトルエンに分離水素を燃料として作った電気とお湯を利活用します。

■④「再生可能エネルギ~と科学」体験学習 講師:日本理科教育支援センター 小森栄治氏

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・午後からは小森先生による体験授業です。
・電気のこと、そして午前中に見た浮体式洋上風力発電の仕組みについて、分かりやすい説明の後で、実際に浮体式洋上風力発電の模型を作成し、水に浮かべる実験をしました。
・バランスよく水に浮かべるのは難しく、きれいに浮かんで風車が回ったチームは歓声が上がっていました。

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・次に電気を使う実験です。実際に手回し発電機を使い、豆電球を光らせます。豆電球とLED電球とでどのくらい省エネになるか、必死に発電機を回しながら学習しました。
・途中で、急遽駆けつけてくれたのが戸田建設㈱佐藤部長です。実際に浮体式洋上風力発電の開発から携わっている方で、科学の面白さ、夢を実現させることの楽しさについて語ってくれました。

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◆事業の総括
2つのプログラムを通して、五島の海の恵みや、それらを活用した産業等について将来を担う子供たちに実感してもらうことができました。特にクロマグロの餌やり体験や燃料電池船の試乗は、五島市に住んでいてもなかなか体験できることではなく、非常に貴重な体験になったことと思われます。両日ともに天候も良く、大きなトラブルも無く、無事2つのプログラムを終えることができました。また、イベントの開催にあたって、(株)ツナドリーム五島や戸田建設(株)、荒川地区活性化実行委員会、市内小中学校など、地元の団体にも多大なるご協力をいただき、五島市の地域振興にもつながったと思われます。参加者を含めた多くの方々の協力により、今回のイベントを成功させることができました。スタッフや地元の方々も含めた全参加者にとって、非常に有意義なイベントになったと思います。