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街から河川へのごみ排出メカニズムについて日本コカ・コーラ(株)と共同調査を開始

使用済みペットボトルは大事な資源、流出を食い止め、調査データを海洋ごみ削減政策に活用

2019.05.24

5月22日、日本財団と日本コカ・コーラ株式会社との共同による国内初(※)の大規模調査「陸域から河川への廃棄物流出メカニズムの共同調査」の実施について発表されました。
全国8カ所、約240kmにわたる調査で、海洋ごみとなるレジ袋、ビンや缶、プラスチック資源がどのように海にたどり着きやすいのか、流出のメカニズムを明らかにすることを目指す調査です。
すでに調査はスタートしており、両者がタッグを組んで推進していく調査の目的や意義などが紹介されました。
調査結果は2019年内をめどにまとめ、国内のプラスチック資源を有効活用するための政策提言とともに公表する予定です。

※日本財団/日本コカ・コーラ調べ。海洋ごみの発生メカニズムを解明する目的で実施される調査として、複数の河川流域を対象としたもの。

 

まず会見の冒頭で、両者代表より挨拶がありました。

●日本財団 会長 笹川陽平
「近年は海洋に関わるさまざまな問題が提起され、最近は海洋マイクロプラスチックごみが食物連鎖の中で人類の健康におよぼす影響についても研究が進んでいます。先般も、東京大学と連携した研究プロジェクトを開始したところですが、「原因なくして結果はない」わけで、このような大きな問題の解決には、原因を究明したうえで対策を打ち出すべきと考えています。
今回は日本コカ・コーラさまの大きな熱意があり、街や河川から流れ出るごみの調査研究、ペットボトルの再利用の可能性や仕組みづくりについて考え、共に社会貢献を行なっていくとの合意に至りました」

●日本コカ・コーラ株式会社 代表取締役社長 ホルヘ・ガルドゥニョ
「当社は業界に先駆けて、1970年代から容器の回収やリサイクル容器の導入などに取り組んできました。2018年には、現在直面する廃棄物問題を過去のものにしようと「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」の実現を目指す取り組み「容器の2030年ビジョン」を公表しています。日本はこれまでに循環型社会を構築し、リサイクル率は世界的にも高水準です。私たちの推計では、ペットボトル回収率は焼却処理にまわったもの含め98%にのぼり、残り1〜2%が河川に流出しているであろうことがわかってきました。この流出を限りなくゼロにするために、今回の共同調査は重要な一歩となるでしょう。
廃棄物ゼロ社会は野心的な目標であり、1社で達成できるものではありません。すばらしいパートナーを得てたいへん嬉しく思います」

 

続いて、共同調査の具体的な内容について双方より説明が行われました。

 

●共同調査について
日本財団 常務理事 海野光行

「海洋ごみの8割は陸・街由来と言われますが、具体的には明らかではありません。その発生源と発生メカニズムを解明し、科学的知見に基づいたアクションにつなげることが大切です。今回の連携のポイントは、お互いの強みを生かしてデータをしっかりと掴むことにあります。
具体的な調査内容としては、レジ袋やペットボトルなどを対象に、河川流域と水路・繁華街でのごみの発生を、河川流域は全国8カ所、およそ240kmにわたって調査予定です。
すでに一部流域で調査を実施しており、実態についていくつかわかったこともありました。9月の調査終了後、調査結果とともに海洋ごみの発生源と発生メカニズムを分析、海洋ごみ削減政策を提案し、プラスチック資源については適切な回収と循環利用促進策について、あわせて検討を始めたいと思います。
今回の調査データは共同プロジェクトを進める東京大学等にも提供し、今後の科学的知見の蓄積に結びつけていきたいと考えています」

 

日本コカ・コーラ株式会社 技術本部QSE 環境サステナビリティ部長 柴田 充

「当社の「容器の2030年ビジョン」は3本柱で成り立っていますが、1つ目となる容器の設計では、以前から軽量化を推進し、現在60%を削減して資源の効率利用をしています。品質と利便性を考えると限界値に近く、今後はリサイクル材の使用50%以上を目標に、「ボトルtoボトル」の取り組みを推進していきます。
2つめの柱は、販売量と同等量の使用済みペットボトルの回収です。日本では世界に冠たる回収リサイクル率を達成していますが、1〜2%が回収サイクルのループから漏れて河川ごみになっている実態があると思われます。ペットボトルは有用な容器で、環境面でもリサイクルしやすい素材。問題となる1〜2%の未捕捉分を突きとめて対策を打つことが極めて重要です。
3つめの柱であるパートナーシップは、同じ思いを持つ日本財団さまと組めることがありがたく、たいへん勇気付けられています。
政府・企業・市民が連携して取り組む、大きな社会課題の解決に、この調査がきっかけとなれば幸いです」

 

取り組みについての詳細説明の後、終了時間まで質疑応答が行われました。閉会後も、各メディアから登壇者たちへの個別インタビューや、意見交換などが行われました。会場内には、調査で使われた自転車装置やドローンのほか、パネル等も展示され注目を集めていました。