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【開催報告】第三回 国際海洋環境デザイン会議「海のミュージアム」をデザイン視点で考える

一般社団法人3710Labは、海洋環境デザインのアクションの共有と促進を目的に「第三回 国際海洋環境デザイン会議」を開催。今回は“「海のミュージアム」をデザイン視点で考える”をテーマに、実現したいアイデア、解決したい課題、協業の可能性などを持ち寄り、ワークショップ形式で実施しました。

2025.03.28

一般社団法人3710Lab(みなとラボ)は、第三回 国際海洋環境デザイン会議を開催いたしました。国際海洋環境デザイン会議は、海洋環境デザインのアクションを共有し、促進していくことを目的に開催するものです。本年の会議テーマは「海のミュージアム」をデザイン視点で考えるアイデアソン。海について知りたいこと、実現したいアイデアやプロジェクト、解決したい課題や協業の可能性などを持ち寄り、グループで話し合うワークショップ形式で実施しました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

開催概要
第3回となる本会議では、2024年度の海洋環境デザインワークショップの報告と、「海のミュージアム」をデザイン視点で考えるアイデアソンをワークショップ形式で実施しました。
日程
2025年3月4日(火)17:00〜21:00
開催場所
渋谷ヒカリエ 8/COURT(東京都渋谷区渋谷 2-21-1 渋谷ヒカリエ8階)
参加人数
80名

海のミュージアム構想について

みなとラボは、海と人との共生を目指し、2021年から「国際海洋環境デザイン会議」を不定期で開催してきました。これまでに、デザイナーや研究者、企業に参画いただき、ワークショップやディスカッション、さらには具体的なアイテムの発表を通して、デザインと海の可能性を探ってきました。

これまでの取り組みを通して、デザインに「海の視点」を取り入れることで、ものづくりへの考え方を変え、より豊かで社会に適したアプローチを生み出せるという確信を得ています。この考えをより多くの人々と共有するため、新たなプロジェクトを始動。2025年から、海にまつわる文化や民藝、最新の発見やテクノロジーまで、デザインを通してキュレーションするプラットフォーム「海のミュージアム」を仮想空間でオープンさせたいと考えています。そこで、本会議では、アイデアソン形式で「海のミュージアム」を楽しむためのワークショップを実施。デザイナー、建築家をはじめ、企業や団体、海と生きることに取り組もうとする個人の方々も、多くの方に参加していただき、このミュージアムの企画について話し合いの場を持ちました。

海洋環境デザインワークショップ2024

プログラムのはじめに、2024年度に実施した海洋環境デザインワークショップの報告を行いました。プロダクトデザイナー倉本 仁による「The Ocean Camping 2024」では、武蔵野美術大学の学生が鹿児島県奄美大島で海を直接に体験することから立ち現れるデザインを探った成果の報告を行いました。コンテンポラリーデザインスタジオwe+による「海の厄介者」プロジェクトでは、海の生態系のバランスを変えてしまい、結果的に人間の経済活動に影響を及ぼすために厄介者扱いされているモノたちに向き合っている経過報告を行いました。

みなとラボでは、多様なワークショップを継続的に実施してきました。これらの取り組みを、次のステップへと結びつけていくために構想しているのが「海のミュージアム」です。

「海のミュージアム」をデザイン視点で考えるアイデアソン

海に向き合った企業や団体も増え、海に関わる活動は全国的に数多くなってきました。みなとラボでは企業や団体のみなさんと定期的なコミュニケーションを持ち、海と人の共生のために何が必要かを探ってきました。その中で聞こえるようになってきたのが、自分たちの活動が正しいのかどうかわからない、他の団体はどうしているんだろう、自分たちだけの活動では継続が困難になってきている、などといった声です。海に向き合った活動は数多くあるものの、その多くが点のままであり、同様の活動の他団体との交流や意見交換、協同や協業が求められているということがわかってきました。点をつないで、線をつくり、その線の交錯を生み出していくことが、海のこれからのためには重要です。点をつないでいくための仕組みやプラットフォームが必要であり、それを「海のミュージアム」というアイデアで実現していこうと考えました。

海のミュージアムを考えるために講演を依頼したのは、瀬戸内国際芸術祭実行委員会事務局次長である増田敬一さんです。瀬戸内海の島々と沿岸部を舞台に3年に1度開催される現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」が、どのような考えのもとに企画され、開催されているのか。これからの海と人との関わりを考えるきっかけをいただきました。

 その後、編集者・ライターの山田泰巨さんをモデレーターに迎え、ワークショップを行いました。参加者はA〜Gの7グループに分かれ、それぞれに海のミュージアムに関するアイデアを出し合いました。グループから出たアイデアをいくつか紹介します。

海の中にミュージアムがあったらいいのではないか。市民が作っていけるものがいい。海に関する人の記憶を集める場所として、記憶の継承の場とするのもいいのではないか。魚の目線を体験できるコンテンツ。海の汚染状況をリアルタイムでグラフィカルにしれるといい。研究拠点でもあり、活動の拠点にもなるような場所がほしい。海という広すぎるテーマをどう扱うか、みんなで考えたい。など、数多くのアイデアが出ました。話し合いは盛り上がり、時間が足りない、もっと定期的にディスカッションしたいという感想も。

今後みなとラボでは、これらのアイデアを踏まえながら、海と人との共生に向け、「海のミュージアム」という視点のもとにプロジェクトを展開していきます。

参加者からの声

・さまざまな職業・バックグラウンドを持つ方々の「海」に対する視点やアプローチに触れることができた。

・海の課題に対するデザインの役割や、どのような形で社会と海をつなげることができるのか、とても興味深いディスカッションができた。

・たった数時間の会議に参加しただけで、いかに自分が海に対して無知なのかを再認識でき、新しいことを知る貴重な時間だった。

・参加するまでは、海とデザインがどう結びつくのか想像できていなかったが、今回イベントに参加してみて、海を伝える・共生していくための手段として、デザインがあると知ることができた。

・海について、より多くの人に知ってもらうためには、噛み砕いて伝えるだけでなく、入り口を広げる必要があり、海洋環境デザインがその鍵となるのではと感じた。

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:80人