【親子で無人島泊まりキャンプ 第5回〜第8回】を開催しました!
一般社団法人IKUHART企画は、兵庫県姫路市家島諸島の無人島、鞍掛島で「親子で無人島泊まりキャンプ」の第5回〜第8回を開催。ヨットや食育学習、環境学習などキャンプの体験を通じて、播磨灘の海と環境について考えました。
2025.01.24

一般社団法人IKUHART企画は、播磨灘の海と環境を考え体験する事業として、令和6年8月から9月にかけて4回、兵庫県姫路市家島諸島 無人島 鞍掛島で、「親子で無人島泊まりキャンプ」を開催いたしました。
このイベントは、日本財団が推進する海洋ごみ対策プロジェクト「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環で開催するものです。
親子で無人島泊まりキャンプ
ヨット体験 帆をあげる、操船体験、船員体験見張りなど
無人島体験 海水浴、シュノーケリング、飛び込み、カヤック体験、磯遊び、魚釣り、貝採り、タッチプール
食育学習 かまど作り、火起こし、魚介類の食材調理、BBQ、すいか割り
宿泊体験 テント設営、生活拠点トイレなどの設営、花火、虫対策
環境学習 生き物観察、海浜植物観察、ビーチクリーン活動、星空観察、流木、シーグラス集め、アクセサリー作りなど
日程
第5回 令和6年8月10日(土)~8月11日(日) はりまプレパークに所属のご家族
第6回 令和6年9月7日(土)~9月8日(日) 公募で参加されたご家族
第7回 令和6年9月21日(土) 森のようちえんmoimoiに所属のご家族
第8回 令和6年9月23日(月) 森のようちえんmoimoiに所属のご家族
開催場所
兵庫県姫路市家島諸島 無人島 鞍掛島
参加人数
91名
協力団体
家島町役場真浦区会、淡路市富島漁業協同組合、帆船としま丸、北淡子育てネットワーク推進協議会
第5回 8月10日~8月11日はりまプレパークに所属の家族が参加した無人島泊まりキャンプ
播磨町のプレパーク事業に所属のご家族が参加してくれました。日頃から野外活動を継続しているので自然と共存するという心が育まれています。無人島泊まりキャンプには参加希望者多数で乗船定員満席で船を出すことになりました。今回は大人子どもスタッフを合わせて約30名の参加になりました。富島港を出航して10分後に赤灯台を通過します。毎回、船が揺れないように船酔い防止と船上に日陰を作るためにメインセイル(大きな帆)をあげます。子どもたちは船の前のデッキ上に集まり、保護者の皆さんはスマホを構えて撮影です。スタッフの声かけで子どもたちはロープを引いて迫力のある大きな帆を上げます。毎回帆が上がると歓声と拍手が起こり良いヨット体験活動になっています。無人島に到着するまではその日の潮流の影響で片道2時間30分から3時間を要すため、子どもたちは見張りや操船体験などの船員体験を楽しみます。船長は大型拡声器を使って船から見える淡路島の全景、明石海峡大橋、市街地などの景色、行き交う船を見ながら航路や観望天気や雲のことなどの案内を実施しています。
淡路島では焚き火ができる場所はほとんどありませんが、泊まりキャンプでの楽しみは開催回数を重ねるうちに増え、多くのプログラムを落ち着いて取り組めること、テント設営、花火、焚き火、星空観察などができるようになりました。また、花火でさえ公園や小学校でもできる場所がなくなっており、花火は市町村が開催する行事を眺めるものになってしまっています。無人島の浜辺でかまどを組んで火起こしをすることや手にとって自ら花火を楽しむことは大切な体験です。火を扱うことの安全対策も話をしていますので、実体験を通して身につくものだと感じます。子どもたちが寝た後の大人だけの焚き火の会では、子育てに関して現役の保護者の皆さまから様々な悩みや話し合い、相談があったりと貴重な時間を過ごすことができました。

第6回 9月7日~9月8日 チラシ等の公募で集まったご家族が参加した無人島泊まりキャンプ
今年度はチラシなどの公募で8/24〜8/25、9/7〜9/8の2開催分を募集しました。2開催日ともSNSに掲載してチラシを配布すると2~3日で定員に達する人気ぶりです。子どもに対して自然活動の実体験を希望する親御さんがたくさん居られることを感じます。8/24~8/25の開催は、東南海地震注意報が発令のため、参加者の皆さまの安全を第一と考えて中止にしました。
公募でのキャンプは初めましてのご家族ですが、出航前の荷物の積み込み、無人島に着いてから荷物の運搬など皆さん率先して動いてくれるので、毎回気持よく運営ができています。7月下旬の初めての泊まりキャンプで猛暑に対して参加者もスタッフも熱中症の心配がありました。以降は特大のクーラーボックスに大量の氷、凍らした500mlのペットボトル、かき氷セットなど熱中症対策も重点項目に入れています。ヨットで往路の時間では、船長体験を開催しながら、船内の2台の電動かき氷器を使って子どもたちが乗船者全員にかき氷の注文を聞き、かき氷を作って配ります。また、無人島滞在時の1日目の午後と2日目の昼前にも、のぼりをぶら下げて子どもたちがポータブル電源を活用してかき氷屋を開催。この夏とても厳しい猛暑のなか無人島キャンプを乗り越えられたのは氷の力だと感じます。今回は最年少1歳のお子さまの参加がありましたので、船内エアコンを付けたままにしてヨット船内をお昼寝の場所として提供しました。
人気のプログラムのひとつがすいか割りです。海に浮かべて冷やしたすいかが潮の干満差で浅くなったり深くなったりするので、子どもたちはすいかを見守ってくれます。月の位置を知ることから月の引力で潮の干満が起こることも教えることができるので、単純なすいか割りも毎回子どもたちは一喜一憂におはしゃぎで盛り上がります。保護者の感想から「スマホが使えない環境で子どもたちが楽しめること」に感謝されることがよくありました。

第7回 9月21日 森のようちえんmoimoiに所属の家族が参加した無人島キャンプ
神戸市の公園などで野外活動を通した保育事業を継続しているmoimoi所属のご家族とお仲間が参加してくれました。9/21~9/22の泊まりキャンプを予定していましたが、9/22に台風が最接近するため中止を検討。どうしても無人島キャンプに行きたいとの希望が多いとの話でしたので、風予報や地元の現役漁師さんにも航海可能がかどうかの相談をして日帰りキャンプで開催することにしました。開催を決めたのは、この数日間強い北風が続きますが、鞍掛島の海浜は南側に向いており、海浜は島影になって波風の影響は受けないこと、大型ヨットも横からの波風の航海と島での係留には十分に耐えれることができる安全性があることからです。
無人島に着くといつものように子どもたちは海水浴、シュノーケリングなどを楽しむために海に入っていきます。今回は透明の小さなクラゲ(アンドンクラゲ)がたくさん漂着していたようでラッシュガードなどを着ていない子どもたちはチクチクしたようです。そんな影響もあり今回は魚釣りが人気でした。浜辺に流れ着いた長い木を拾ってハリスと針と重りをつけて、貝を採って割って身をエサにして、無人島ならではの魚釣りを楽しみました。9月に入ってからは魚も少しずつ大きくなってきていて20cm近いベラもたくさん釣れたので、うろこ取りと内臓を取って魚の姿のままくし刺しにして塩焼きで食べました。
また、スタッフが参加者と一緒にシーグラスを拾って、アクセサリー作りを開催。シーグラスに多目的ボンドを付けて、ヒートンキャップや海に関係するアクセサリーチャームを付ける作業なので、未就学児でも簡単に制作することができます。たくさんの種類のアクセサリーを用意しているので、それぞれに個性的な無人島キャンプの思い出を制作して持ち帰ってもらいました。参加したパタゴニアの社員の方によると、社内ではシーグラスで制作したネックレスが人気だそうで、その方も海浜を掘ってたくさんシーグラスを拾って持ち帰りました。無人島にはシーグラスが堆積していて拾っても拾っても無くならないのが不思議です。

第8回 9月23日 森のようちえんmoimoiに所属の家族が参加した無人島キャンプ
9月の平日開催ですが、森のようちえんや多文化共生ヒッポファミリーのご家族が仕事の都合をつけて、たくさんの方が参加してくれました。9/21帰港後に係留するヨットの船尾からかごを仕掛けて、9/23出航前に引き上げると真たこが2匹入っていたので、参加者に披露して無人島の食材として持っていくことになりました。今回は淡路島海鮮料理屋名店いちじろうの大将もスタッフとして参加し、2匹の真たこを調理。参加者もスタッフも勉強になったことは真たこのぬめり取りです。レシピでは大量の塩を使うことが定番ですが、大将はコンクリート桟橋の床で真たこを揉んで、次に魚採り網の網の部分でぬめりを取りました。あとは真たこを解体して皮を剥いて刺身を作りました。保護者の皆さんは大将のテキパキした調理に見入って、スマホで撮影したり、最後は拍手を送っていました。
毎回ヨットのデッキ上に2.5名乗りの14ftのカヤックを1艇積んで持っていきます。この日はカヤックを取り合うほどの人気でした。最後には幼児4名がカヤックに乗り込んで、「いち、に~」「みぎ、みぎ」などと声を掛け合って漕いでいました。スタッフはいつでも飛び込んで支援に行けるように岸壁の上から見守っていましたが、子どもたちだけ操船して浜まで戻ってきたことには感動しました。保護者からは幼児だけでこのような体験をさせてもらうのはとても貴重で子どもたちも自信になっていると思いますと感謝の言葉をいただきました。
台風の影響でこの日は特に北風が強く、無人島の海浜ではあまり影響はなかったのですが、復路時は特に波風が高くて大型ヨットもデッキ上では波を被りながらの航海でした。13トンもある大型ヨットは安定しているので子どもたちと数人の大人の方も海水を被ることに大はしゃぎでした。スタッフで参加した大将もこのような海況で乗船したことは初めてだったようで、デッキ上でずぶ濡れになりながら楽しんでいました。航海中は漁師さんから心配する何度か電話があったのですが、風向きがいいので安定して安心して航行を続けていることを伝えました。富島港に戻ると珍しく岸壁に数名の漁師さんと漁業協同組合の職員さんの出迎えがありました。昼から大時化で早めに漁を切り上げて帰港したそうで、心配しての出迎えと聞きました。今年度も大きな怪我もなく事故もなく多くの方のご支援で無事に無人島泊まりキャンプが開催できたことに心から感謝しています。

毎回 無人島キャンプ活動後にビーチクリーン活動を実施
無人島キャンプは2018年から続いています。大切にしていることは海と環境の現状を伝えることです。無人島キャンプで利用する鞍掛島ですが、利用するシーズン初めは漂着した海洋ごみと流木で海浜は覆われていることに参加者の皆さんは驚かれます。瀬戸内海の海洋ごみは99%が日本のごみです。スタッフが知る海洋ごみの情報を参加者に伝えて毎回活動後にはビーチクリーン活動を実施しています。
海浜を覆い尽くす流木等はかまどを組んだ火起こしとBBQで毎回かなりの量を利用します。人が出したプラスチックなどの燃える海洋ごみを回収しています。船に積んで持ち帰るので、毎回45L袋で10袋程度ですが、無人島キャンプの回数を重なるほどに海浜がきれいになっていきます。回収して持ち帰った燃える海洋ごみは、後日スタッフが淡路市の焼却場へ車で運んで処理をしています。
8/10は、この小さな無人島に私たちが約30名、団体名無人島プロジェクトの大人だけの参加者が約40名、個人の2家族7名、テントは20張となり超過密となりました。私たちから他団体と他ご家族に声をかけてビーチクリーン活動を実施。無人島利用者のほとんどがかまどや炭はそのままでごみとして残して帰り、またキャンプ用品が安く購入できることから、BBQセットや鍋なども残して帰る人までいます。年に何度かは無人島で火の気が残っていると通報があり、島の役場の人が船で消しに行くこともあると聞きます。今回、合同でビーチクリーン活動を実施したことは役場にとっても効果的で有り難いことですと感謝されました。

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:91人