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三菱電機株式会社 × 国営海の中道海浜公園 里海保全活動への開催支援を行いました!

九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センターは三菱電機株式会社九州支社と国営海の中道海浜公園が主催する「里海保全活動」の開催を支援。「里山保全プロジェクト」と「みつびしでんき野外教室」の一環として自然環境保全と環境教育を行いました。

2025.01.24

九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センターは、多様な生命を育み、様々な恵みを与えてくれる自然へ恩返しと、幼児から小学生を対象とした環境マインドの育成を目的に、2024年6月29日(土)と、12月7日(土)に、三菱電機株式会社九州支社と国営海の中道海浜公園が主催する『里海保全活動』の開催支援を行いました。

三菱電機株式会社九州支社は、2011年度から2023年度まで「油山自然観察の森」での里山保全活動を継続してまいりましたが、今年度からその舞台を海へと移し、これまでの里山活動の実績と経験を踏まえた『山から海までの自然の繋がりを学べるプログラム』へと次の歩みを始めました。

新たな環境保全活動の舞台となる国営海の中道海浜公園は、福岡市内にありながら多様な自然環境が、国土交通省九州地方整備局の働きによって保護されています。公園が有する松林は玄界灘の白砂青松のシンボルであり、キツネやタヌキ、イタチ、イノシシなどの野生動物の住処にもなっています。

私たち九州大学うみつなぎは、三菱電機株式会社九州支社の『里海保全活動』における教育コンテンツの制作協力を拝命し、廃棄物処理のプロフェッショナルである福岡市西部3Rステーション(福岡市西部リサイクルプラザ)に協力を仰ぎ、福岡が誇る玄界灘沿岸の壮大な自然環境を舞台に、産学官が連携した環境保全活動のモデル構築を目指し開催いたしました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

開催概要
三菱電機グループが取り組む「里山保全プロジェクト」ならびに「みつびしでんき野外教室」の一環として、国営海の中道海浜公園、福岡市西部3Rステーション、九州大学うみつなぎとで産学官連携による社会貢献活動(自然環境保全・環境教育)を行う。
主催
三菱電機株式会社九州支社 https://www.mitsubishielectric.co.jp/business/area/kyusyu/
国営海の中道海浜公園 https://uminaka-park.jp/
企画協力
九州大学うみつなぎ https://umitsunagi.jp/
協力
福岡市西部3Rステーション https://www.fukuoka-seibuplaza.com/

【春の里海保全活動】
日程
2024年6月29日(土)10:00~14:00
開催場所
海の中道海浜公園
参加者
133名

【冬の里海保全活動】
日程
22024年12月7日(土)10:00~13:00
開催場所
海の中道海浜公園
参加者
80名

【春の里海保全活動】里山から里海へ!産学官連携による環境保全活動の第一歩!

2024年6月29日に開催した春の里海活動では、午前は海岸清掃グループと、こども野外教室グループに分かれ、園内の潮見台からシオヤ鼻までの区間を移動しながら海岸清掃と自然観察会を行いました。

海の中道海浜公園に隣接する海の中道海岸は、普段は一般来園者が立ち入ることができないため、ありのままの自然と手つかずの海岸ごみが混在している状態にあります。

この日は、三菱電機株式会社九州支社の従業員と九州地区関係会社従業員、そのご家族を含む133名が参加し、2トントラック2台分にも及ぶ大量の漂着ごみを回収することに成功しました。

午後の部は、園内の施設にて「海洋ごみから海の生き物を守ろう!」をテーマに九州大学うみつなぎ統括プロデューサーの清野聡子(九州大学工学研究院准教授)による講話を行いました。

ハマゴウや、ハマボウフウ、コウボウムギ、ネコノシタなど、午前のフィールドワークで観察できた海浜植物の振り返りや、海岸で集めた貝殻やイカの甲などの自然物や、なにに使われていたか見当もつかない不思議な形の漂着ごみなどを資料に、自然と人の暮らしの在り方を考えるひと時を持ちました。

今回が初めての『里海保全活動』としての試みとなりましたが、子どもたちの楽しそうな様子や、積極的な質問の声をいただき、今回のイベントを通して海岸を遊びの場から学びの場へとステップアップする第一歩になったと感じています。

本活動は三菱電機株式会社九州支社様の「支社だより・活動報告」にもご掲載いただいています。https://www.mitsubishielectric.co.jp/business/area/kyusyu/info/detail58.html

【冬の里海保全活動】 冬のダイナミックな玄界灘で松林保全に初挑戦!

2024年12月7日に開催した冬の里海保全活動では、”海岸清掃”と、”こども野外教室”に加え、新たに”松林の保全活動”にチャレンジしました。

福岡の玄界灘が誇る白砂青松の風景は、風光明媚な景観だけではなく、飛砂や塩害から人々の暮らしを守る重要な役割を備えています。その一方で、健全な松林を維持していくためには人の手による保全が必要不可欠となります。

今回が初めての松林の保全活動ではありましたが、油山での里山活動の経験とチームワークが活かされ、短時間で670kgもの不要な松葉や草木が取り除かれました。取り除かれた松葉などは園内の施設にて、たい肥化されて、園内の花壇などで有効活用されます。

海岸清掃グループは、砂に埋もれてしまった漁網や、海を漂い流れ着いた冷蔵庫など、春の時には対応できなかった大型の漂着物の回収にも着手することができました。わずか30名ほどの人員でしたが、この日だけで90L袋で42袋分、180Kgの人工ごみと、漁業用フロートなどの大型ごみ10点を海岸から取り除くことができました。

親子で参加したこども野外教室グループは、冬の玄界灘と砂浜と松林について、特に「音」で感じた学びをしました。玄界灘の冬ならではの強風は、荒波を立て、松林を揺らして松風の音をごうごうした音を立てます。集合場所の松林の陸側では音が静かなのに、海に近づくほど音が大きくなってきます。松林がこの自然の大きな力を防いでくれている力を実感し、荒波を遠目に砂浜の松林側の安全なところで観察活動をしました。前回に観察した海岸植物のハマボウフウ、ハマゴウ、コウボウムギなど代表的な海岸の植物特有の種が砂浜に飛び散っているのを確認し、乾燥しやすい海岸の環境で保水している体の仕組みを、手で触れながら確認しました。

また松林管理チームは、松林の手前の下枝やつる草が混みあった茂みの中にヘルメットとゴーグルをして分け入り、茂みを抜けた松林の中に厚く積もった松の葉を松葉ぼうきを使って掻き出し、人が通れるすっきりした海岸林の状態をつくってくださいました。管理チームが伐り取った枝やつる草は、今度は、松林の陸側の静かなところでルーペで植物観察をしていた野外教室チームの素晴らしい教材になりました。つる草は、その場でリースに変身しました。海岸の低木のトベラの枝には、実が当日の気象のおかげでちょうど弾けて、イクラのような朱色の種を観察できました。植物に詳しい海の中道海浜公園のスタッフの方の解説もいただき、里海の里山の松林の管理と、海岸の生態系と人の暮らしの世界をトータルに学ぶプログラムとなりました。

ご参加くださいました皆様は、それぞれのコースでの活動で達成感を得ることができたようで、一様に晴れやかな表情が印象的でした。この活動は、これからも三菱電機株式会社九州支社を中心に息の長い活動として継続していくとうかがっております。

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:213人