お茶の水女子大学湾岸生物教育研究所は、オンラインで全国の参加者と交流しながら自宅や学校で本格的なウニの発生実験を行い、希望者は受精実験で発生した幼生を稚ウニまで育てる教材も併用して海について学び、そして学んだことを表現して次に伝えることを目的とした「全国一斉ウニの発生体験2024年秋」を開催いたしました。10月はキタムラサキウニ、11月はアカウニを用いた教材を送付し、冬休みの表現作品コンテストまで複数のオンライン会にて全国からの参加者同士が繋がりました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

開催概要
10月はキタムラサキウニ、11月はアカウニという秋に繁殖期を迎えるウニを利用した「未受精卵と精子」「植物・動物プランクトン」の各教材を、学校、サークル、家庭に送付しました。参加者たちは、学校、家庭、サークルなどでそれぞれ受精実験に取り組み、発生観察をしながら海について学びました。オンラインで参加者達を繋ぐ「オンライン相談会」、「オンライン報告会」、「表現作品コンテスト」も開催し、全国の参加者との交流を行いました。
日程
2024年10月9日から2025年1月10日（イベント期間）
＊教材送付は全4日程：①10月9日着、②10月23日着、③11月6日着、④11月20日着（一部地域には翌日着）
＊10月のキタムラサキウニの提供（日程①②）は10月24日に相談会、10月31日に報告会、11月のアカウニの提供（日程③④）は11月21日に相談会、11月28日に報告会、12月25日～1月10日に表現作品コンテストの各オンラインイベントを開催。
開催場所
オンライン（各学校や家庭やサークル宛てに教材を送付）
参加人数
学校55校 4,567名、一般（個人とサークル）34件 254名、合計4,821名

オンライン相談会では小学生が研修講師を務めました

一般のご家庭でも無理なく実験が行えるよう、一般個人向けの卵精子教材到着翌日にオンライン相談会を開催しました。参加者とお茶の水女子大学スタッフが自己紹介を通じて交流した後、簡単な研修を行って実験の進め方を皆で確認する会です。この研修では毎回特別講師を”先輩ユーザー”にお願いしています。今回も10月、11月それぞれで小学生が特別講師を務め、パワーポイントのスライドを駆使したわかりやすい研修を行いました。10月の相談会の様子はこちらの記事でも紹介していただきました。
https://uminohi.jp/special/interview_ochanomizuuniversity/
11月の相談会では100均アイテムを使った飼育のコツが複数の先輩参加者から寄せられ、会の後のアンケートでは録画視聴で参加した方（当日都合がつかない方にも会の様子を録画視聴してもらえます）からもオススメの100均アイテムについての情報を募り、その情報を参加者間で共有しました。

10月31日にはキタムラサキウニの報告会、11月28日にアカウニを用いた実験の報告会をそれぞれ開催しました。スライドを使った本格的な発表、簡単な口頭発表、コメント紹介のみ、など自分の好きな形式で希望者に報告を行ってもらい、質疑応答の時間には参加者間での交流も活発に行われました。

表現作品コンテストも大いに盛り上がりました

イベントの締めくくりとして、今回のイベントで海やウニについて学んだことをレポートやアートとして表現してもらい、一堂に展示して皆で作品を鑑賞しあうというオンラインコンテストを冬休み期間の2024年12月25日から2025年1月10日まで開催しました。今回出品された参加者の保護者から「工作で参加できて良かったです。小2で実験に失敗して落ち込んでいるところに活躍の場があって良かったです。ありがとうございました！」という声があり、コンテストにはそのような役割もあったのかと再発見することもできました。このコンテストでは参加者間投票でグランプリ作品やその他の賞を決定します。また投票の際には作品へのコメントも一緒に集め、そのコメントを出品者に伝えることで再度、参加者間の交流を行いました。

一般公開用のサイト（展示のみ）はコンテスト期間後も公開を続けています。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdeR5qYtbZzLT8RRBVqIJreHN-r2ATDheGDmEjLiW8DGaW8SQ/viewform?usp=header

参加した子ども・保護者からの声（原文ママ）

相談会
・自分が困っていた部分で同じ困りをしている人がいるのがわかってよかった。（小学生）
・実際に育てた経験のある方からやり方など詳しく教えていただけたので、とても参考になりました。（中学生）

報告会
・今回は初めての参加で、これまでウニの発生を行ったこともなかったため、他の参加者の様子が知れたことは良かったです。（学校教員）
・1人でやってるとわからないことを聞けるのがいいです。（小学生）

コンテスト
・個人参加の小学生の皆さんがたくさんいて関心しました。好きなことにチャレンジしたり探究していく姿勢がすばらしいと思いました。このプロジェクトの目的を体現していますね。（高校教員）
・いろんな発想があって見ていて楽しかったです！（中学生）
・素敵な作品がたくさんあって、見るのが楽しかったです。（保護者）

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数：4,821人