【ヨット体験と無人島泊まりキャンプ 第1回〜第2回】を開催しました!
一般社団法人IKUHART企画は、播磨灘の海と環境を考え体験する事業として、令和7年6月から7月にかけて、兵庫県姫路市家島諸島 無人島 鞍掛島で「ヨット体験と無人島泊まりキャンプ」が始まりました。 このイベントは、日本財団が推進する海洋ごみ対策プロジェクト「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環で開催するものです。
2025.08.18

イベント概要
・開催概要: 親子で無人島泊まりキャンプ
ヨット体験 帆をあげる、操船体験、船員体験見張りなど
無人島体験 海水浴、シュノーケリング、飛び込み、カヤック体験
磯遊び、魚釣り、貝採り、タッチプール、お箸作り
食育学習 かまど作り、火起こし、魚介類の食材調理、BBQ、すいか割り
宿泊体験 テント設営、生活拠点トイレなどの設営、花火、虫対策
環境学習 生き物観察、海浜植物観察、ビーチクリーン活動
星空観察、流木、シーグラス集め、アクセサリー作りなど
・日程: 第1回 令和7年6月28日(土)~6月29日(日)
第2回 令和7年7月12日(土)~7月13日(日)
・開催場所: 兵庫県姫路市家島諸島 無人島 鞍掛島
・参加人数: 28名
・協力団体: 家島町役場真浦区会、淡路市富島漁協、帆船としま丸、北淡子育てネットワーク推進協議会
第1回 6月28日(土)~6月29日(日) ヨット体験と無人島泊まりキャンプ
SNSやチラシなどを見て淡路市、西宮市、明石市、神戸市から参加してくれました。当初第1回は6月14日(土)~6月15日(日)を予定していたのですが、雨天のため延期になりました。まだ6月ですが猛暑続きでテレビでは連日熱中症対策を呼びかけています。昨年の経験から水と氷をたくさん積み込みました。
9時に富島港を出航して赤灯台を出て広い海面になると、子どもたちは船首のデッキ上に集まりロープをひいて子どもたちだけの力で真っ白で大きなメインセイルを上げます。しばらくは富島沖の漁場にたこ釣りに集まっている200隻以上の遊漁船やプレジャーボートのこと、船から見える明石海峡大橋や淡路島、遠くは小豆島や四国などの周りの景色のこと、前を横切るタンカーやフェリーなどの播磨灘航路のこと、空を見上げて雲のことや観天望気の話などを船長が大型拡声器をつかって参加者に話をします。10時を過ぎた頃にかき氷の時間です。今年は小さな子どもでも扱える電動かき氷機を積んだので、先ずは子どもたちが自分でかき氷を作って好きなシロップをかけて食べて、大人やスタッフから注文を取ってかき氷屋さんになって配ってくれました。かき氷ひとつで初めましての子どももご家族も仲良くなっていきます。播磨灘航路を過ぎて船もほとんどいなくなり、目指す無人島が見える頃から、船長の命を受けて子どもたちは交代制で船長帽子を被って操船体験です。とても人気なので時間を区切って順番に体験してもらいます。大人も初めて参加のスタッフからも希望もあり体験してもらいました。無人島に近づくと大きなセイルを下ろして、桟橋に着岸します。
無人島に着くと船からたくさんの荷物を下ろして海岸まで運びます。参加者はそれぞれ2時間半前に出会ったばかりですが、毎回とても協力的で段取りよく運んでくれます。この日も快晴の猛暑でしたので、最初に大きなタープを2つ張り、防災トイレ、水ポリタンクで手洗いとシャワー場を設置しました。子どもたちは荷物運びの後は綺麗な海で海水浴やシュノーケリングを楽しんでいました。無人島では集団行動でなく、家族単位でやりたいことを勧めてもらっています。開催概要にあるプログラムに対応できるように用具はすべて積んでいくので参加者の要望に応えて提供しています。昨年から改善したことは家族単位で、兵式飯ごう、火起こしセット、星座盤、かごの仕掛けなどを提供して持ち帰りにしています。魚釣りは、釣り針と釣り糸だけを用意しているので、竿は細長い流木、エサは巻き貝などを割って用意してもらいます。無人島では手作りの釣り竿とエサでも食べられるベラなどがたくさん釣れるので皆さん大喜びです。釣った魚は子ども自身で竹ぐしに刺して塩焼きで食べました。この日、海に潜って感じることは、6月なのにクラゲが多くて貝類がとても少なく海藻が生い茂っていることです。昨年まで磯焼けを感じて心配していただけに今年の海底の変化には少し驚きです。害といわれるガンガゼやムラサキウニはとても量が少ないですが身の入りは多いので石の上でウニを割って美味しくいただきました。
家族単位の活動で、夕食はかまどを作って火起こししてBBQ。夜は、星空観察を楽しみました。スタッフが用意した花火では、参加者が全員集まって楽しみました。ちょっとわんぱくなことや元気なことをやっても無人島では怒られることがないので、子どもたちは子供らしく生き生きと活動する様子が微笑ましく、その活動を見守る大人達の優しさも素敵な時間だと感じます。西宮市からご参加のご家族は2日目の朝食でお洒落にパンを焼いて食べていました。早朝から海岸にパンの焼けたいい香りが漂っていました。

第2回 7月12日(土)~7月13日(日) ヨット体験と無人島泊まりキャンプ
今回のキャンプは、加古川市、神戸市から参加してくれました。今回参加のお子さんは、無人島キャンプは初めてだけど、とても憧れていてyoutubeなどをたくさん見て準備をしてきたと言う話です。行きの船上ではセイルを上げたり、船長体験をしたり、みなさん積極的に協力してくれました。ひとりの男の子が船首で座ったままでいるので、見張りをがんばってくれているのかなと声をかけるとなんと熟睡していました。ご家族の話では、無人島キャンプが楽しみすぎて昨夜は午前2時半を過ぎても寝られなかったそうです。子どもだけでなくお父様もわくわくして寝れずに寝不足だと言われていました。同じく、スタッフのひとりも楽しみでなかなか寝れなかったとのことです。
この日も猛暑でしたので無人島に着き荷物を運んで生活拠点を設置後は、みんな海に潜って魚や貝を獲ったり、海水浴で身体を冷やしたりして過ごしました。誰も昼寝することなく無人島を楽しむ姿に子どもたちの無限の体力を感じました。この日は、潮汐の関係で1日目の14時から2日目の朝まで潮が引いてヨットを桟橋に係留することができないので、沖で錨泊することになりました。夕方になり、かまどを組んで、ファイヤースティックと麻紐をほぐして火起こしに初挑戦でした。こどもは忍耐強く諦めずに15分程度がんばった結果、火花が麻紐に移り見事に火がつきました。その瞬間の達成感からくるこどもとお父様の喜びの声と表情は最高でした。海で獲った魚や貝を焼き、亀の手を味噌汁にして磯の恵みを存分に楽しみました。
そんななか夕方からだんだんと波風が高くなり、19時頃にヨットが走錨していることに気づき、船長は大慌てで泳いで船を追いかけて乗船して起動、岩場の直前で脱出できました。なんとイカリを繋いでいるステンレスのチェーンが切れていました。予報以上に波風が上がってきたので、船は錨泊不可能なので、男鹿島に移動して船と船長は桟橋係留で夜を過ごしました。無人島で夜を過ごしたスタッフによると、打ち寄せる波が怖くて、4時頃にはテントサイトぎりぎりまで海が迫ってきたので、スタッフも大人の参加者も一睡もできなかったという話で、そのような状況の中でも、花火を楽しんで、星空観察や夜光虫観察を実施したそうです。無人島で身をもって潮汐や自然を体感できたことはとても良かったとも言ってくれました。子どもたちは熟睡していたそうです。
2日目は寝不足で少し疲れている大人と違って、熟睡した子どもたちはとても元気です。朝6時から海水浴、朝食を終えてからはカヤックで鞍掛島を一周、そして人気の飛び込みです。初めはお父さんやスタッフを一緒でないと飛び込めなかった小学生も5回ほど飛び込むと、あとはひとりで走ったり、後ろ向きになったりして飛び込みを楽しんでいました。日焼けして顔も健康的な小麦色になり疲れた~と言ってましたが、体力ぎりぎりまで活動することで子どもたちは強く逞しくなっていくことだと思います。文明社会のなかで暑いとかしんどいとか弱音を吐いて前を向けない子どもや大人を感じます。何もない不便な無人島を体験することで、いまの文明社会がどれだけ有り難いことなのかに感謝して、自分のやりたいことを一生懸命がんばれる子育て支援事業になれば思っています。全6回開催予定のヨット体験と無人島泊まりキャンプです。今年度も猛暑に負けず、引き続きがんばって乗り切りたいと思います。

参加されたご家族からの感想 参加者からスタッフに届いたメール3通をご紹介します
①先週末の無人島キャンプでお世話になりました、ちーちゃんの母娘です。
二日間、本当にお世話になりました!ありがとうございました!!
海が最高に美しく、最高の時間が過ごせました。
娘の千尋は、桟橋から飛び込んだことがとても印象的だったようで、昨日も、今日も、「飛び込んだなー」と話してくれました。最初は怖くて座って飛んだけど、二回目は立って飛んで、三回目は走って飛んだ!怖かったけど、自分で挑戦して、飛ぶって決めて、飛べたから、自信がついたのかもしれません。キラッキラの笑顔で話してくれます。
私は海が大好きで、でも海が好きだと気づいたのは、大学生くらいかもしれません。こどもの頃から、何度も海水浴に連れて行ってもらっていたから、いつの間にか好きになっていたんだと思います。千尋ともこれからも何度も行きたいと思います。千尋に、海が好き?と聞いたら、好きと答えてくれて、共通の好きなものが一つできたこと、嬉しく感じました(あんまり、ないんです笑)
これもすべて、なりさん、かわいさん、たけちゃん、IKUHART企画さんのみなさまのおかげです ありがとうございました。
②大変お世話になり、ありがとうございました!娘がたくましくなったように思います。
そして、無人島が気に入ったようで、夜にまた行きたいと大泣きしたり、次はいつ行けるのか聞いておりました。また参加できればと思っております!
こどもも大人も楽しめる遊びのメニューをたくさんたくさんご用意いただき、過ごす時間も自由で、面倒な準備や片付けをしてくださって、本当にありがとうございました!料金も良心的過ぎて驚きです
またぜひ参加したいです!もっと海に関わりたいと思いました。次にお会いできる機会を楽しみにしています♪
③おはようございます☀ 2日間本当にありがとうございました
なりさんのこの活動に対する考え方に感銘を受けました。
無人島🏝️でも体験が少しでも日常に役立てるようできたらいいと思います。ゴミについても考えるさせられました。子供達もこの体験で少しでも考え方が変わってくれると嬉しいです。私も、この2日間写真を撮る以外に携帯から離れる生活ができてよかったです。水ガス電気のありがたみ。ない世界にいくとこんなに大変ということがわかりました。無人島🏝️では様々な体験を経験させてもらいすごく楽しい2日間でした。毎年行きたいです。よろしくお願いします。
毎回 無人島キャンプ後はビーチクリーン活動を実施
無人島キャンプは2018年から続いています。大切にしていることは海と環境の現状を伝えることです。私達のキャンプで利用する無人島は鞍掛島と上島の二島で、毎回ビーチクリーン活動を実施しています。いつものことですが参加するすべての大人も子どももスタッフから声をかけなくても、ごみ袋をくださいと申し出てくれて自発的にビーチクリーン活動を実施してくれます。キャンプ最初に活動するご家族もいれば、最後の撤収時に活動してくれるご家族もいます。
第1回の開催時は、たくさんの漂着した海洋ごみで覆われており、ペットボトルなどのプラスチック製の海洋ごみのほとんどを回収。燃えるごみ袋45Lで12袋を集めて持ち帰りました。2週間後の第2回の開催時は新たにたくさんのペットボトルなどの海洋ごみが漂着していました。今回は海ごみセロ袋を利用したので、小さな無人島の浜に流れ着いた海ごみに量は画像のとおりです。瀬戸内海全体を考えるとどれだけの海洋ごみが漂っているのかと考えると恐ろしくなります。
流木等はかまどを組んだBBQで毎回かなりの量を利用します。船の船尾に積んで持ち帰るので、毎回10袋程度ですが、無人島キャンプの回数を重ねるほどに海浜がきれいになっています。回収して持ち帰った燃える海洋ごみは、後日スタッフが淡路市の焼却場へ車で運んで処理をしています。

<団体概要>
団体名称:一般社団法人IKUHART企画
URL :https://ikuhart-kikaku.jimdosite.com
活動内容:淡路島の魅力とさまざまな資源を生かす活動をするため「育波、ハート、アート」の意味を込めて、「IKUHART企画」と名付け、誰もが集い、交流し、楽しむことの出来る場所としての活動を行います。
https://www.facebook.com/IKUHARTKIKAKU

CHANGE FOR THE BLUE
国民一人ひとりが海洋ごみの問題を自分ごと化し、”これ以上、海にごみを出さない”という社会全体の意識を向上させていくことを目標に、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として2018年11月から推進しているプロジェクトです。
産官学民からなるステークホルダーと連携して海洋ごみの削減モデルを作り、国内外に発信していきます。
https://uminohi.jp/umigomi/

日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/
参加人数:28人