あわじ子ども未来アクション2025 松がつくる未来の浜辺 いきものと人のつながりを探ろう!開催しました
「あわじ子ども未来アクション2025」第2回の舞台は、歴史ある景勝地、南あわじ市の慶野松原でした。今回のテーマは【表現する】。表現とは、慶野松原の自然を体験し、楽しいと思ってもらうこと、その自然から受けた恵みや感動を芸術を通して松原にお返しする、という意味があります。言葉や文章だけでなく、音楽、踊り、絵画、創作活動など、多様な「表現」の方法と、その楽しさ、奥深さ、豊かさを体感する2日間となりました。この活動は、慶野松原を大切に守り愛する【慶野松原根上がり隊】の皆様のご協力を賜り、実現しました。このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
2025.11.26

イベント概要
・開催概要: あわじ子ども未来アクション2025「森から海へ、つながる命のルートをたどれ!」
・日程: 2025年9月20日14時~20時,21日10時~16時
・開催場所: 慶野松原
・参加人数: 28人
・協力団体: 慶野松原根上がり隊
あわじ子ども未来アクションとは
このプログラムは3つのことを大切に実施しています:
💡おもしろそう!と思ったらやってみよう
知ることの面白さを体験し、それが未来へのヒントとなる学びを大切にしています。
💡うまくいかなくても大丈夫
失敗をチャンスと捉え、チャレンジそのものが未来につながることを重視しています。
💡自分のやってみたい!が世界をつくる
子どもたち一人ひとりが主役となり、「やってみたい!」という気持ちを形にすることを応援しています。
1日目:松原を五感で感じ、表現のインスピレーションを得る
始めにグループごとにわかれて、期待してきたことなどお互いにシェア。
そこから、慶野松原根上がり隊さんの大きな紙芝居『松林の冒険』の始まりです。男の子とお父さんが松原を歩きながら、たくさんの生き物を発見する物語で、ギターを引きながらの語りに、松原の物語に引き込まれていきます。
つぎは、松のオリジナルマップを手に松原を自由に散策。自分のお気に入りの松を探してスケッチしたり、みんなで集合して松のポーズをとったり。五感をフル活用し、松林の匂いや音、感触を体験しました。

次は根上り松ができる実験や松枯れの寸劇で松のことを深く学びました。
『松の木はなぜ枯れるのか?』。松を食べて成長したマツノマダラカミキリが、枯れかけた松に卵を産み付ける。幼虫にマツノザイセンチュウが忍び寄り、マツボックリから落ちた種からは次世代の松が生まれる。話を聞いてもわかりにくい生き物の共生関係を寸劇でわかりやすく理解ができました。
スクズかき(枯れた松葉集め)で、どれだけ多くの松葉が出て来るのか集めてみた後は、その葉が燃料として使えることを理解する燃焼実験も行いました。

夕刻には海辺でウミホタルの仕掛けづくり。仕掛けて海ホタルが入るのを待つ間に、皆が拾い集めた流木や松の枝を組んで明かりを囲み、ライブもありました。子どもたちは『ウミホタルの歌とダンス』を楽しみました。

最後に、自分で仕掛けたペットボトルに光る海ホタルがたくさん確認できました。バケツから海ホタル入りの水で順番にラインを引く、海ホタルバケツリレーもやってみました。自分で取り方も学ぶことができたので子供達の喜びもひとしお。青い光の幻想的な輝きを楽しんでいました。
2日目:生き物の専門家との対話を通じて「自分の好きを表現してみよう」
この日はいろんな人に「自分の好き」を聞いてみて、それが今の何に繋がっているかインタビューしてみました。
始めは、馬とともに暮らす【シェアホースアイランド】の山下勉さん。初めて馬に乗ったとき、何か電流が走るような感覚があったけど、その頃の馬との関わりは、競馬くらいしかなく、競うのが嫌だった。そこで「暮らしに馬を」をコンセプトに活動を始めることになったそう。
その後、海でベンさんの馬、風月、シランとともにビーチクリーンしたり、馬に乗ってストレッチしたり、馬とたくさん触れ合うことができました。

午後は、兵庫県自然保護指導員の竹田俊道先生にインタビュー。もともと昆虫が大好きだったけれど、昆虫を調べるうちに、それに関わる植物にも詳しくなっていったそう。
さらに慶野松原に生きる昆虫や植物についてお話を伺い、採取した昆虫や植物を一緒に観察しました。

おやつには松の可能性:松葉ジュースや松葉クッキーを試食し、松の新たな可能性を体験。
一日の最後には、自分の好きを表現してみました。
プログラムを通して何度も設けられたシェアの時間により、子どもたちの発言や発表は回を重ねるごとに主体的に、能動的になっていきました。
子どもたちが感じた2日間
(松原を感じて)
◆松にいろいろな形があることに驚いた
◆青い空に松の緑がとてもきれいだった
◆松の木が小さなうちに植えられてて驚いた
◆松林から、何年も積み重ねた歴史を感じた。自分だけの松を見つけられて良かった。
(馬と触れ合った感想)
◆これまで馬を触ったことがなかった。馬は温かくて、鼻がめちゃくちゃ柔らかかった
(自分の好きなこと)
◆家族と一緒に過ごすことが一番好き
◆絵を描くことが好き
◆木材で何かを作るのが好き
◆料理をするのが好き
◆何かを演じることが好き
(自然観察をしてみて)
◆これまで海ほたるを見たことはあったが、自分で仕掛けを作って捕まえる事ができたことに驚いた
◆海ほたるの青色が、想像していたよりもずっと濃い青だった
◆竹田先生と昆虫観察して、昆虫を身近に感じた
子どもたちは、自然との触れ合いや専門家との対話を通じて、自分の中の「好き」や「驚き」を大切にし、それを多様な形で表現する楽しさや豊かさを体感することができました。
集大成は1月11日の未来サミットへ
この活動の集大成として、1月11日に津名図書館で「あわじ子ども未来サミット」を開催します。今回の体験と学びが、さらなる未来への一歩となることを期待しています。みなさま、ぜひご来場下さい。
<団体概要>
団体名称: 淡路島ちどり隊
URL: https://www.awaji-chidori.com
活動内容: 百人一首「淡路島かようチドリの鳴く声に…」でお馴染みのチドリ。浜辺をちょこちょこ歩く姿がなんとも可愛らしい鳥です。しかし、シロチドリはここ50年ほどでその数は3分の1にまで激減。兵庫県において、絶滅の危険性が一番高いレッドデータブックAランクに指定されています。チドリに必要な環境は、島の豊かな海浜そのもの。「淡路島ちどり隊」は、チドリの保全を通して淡路島の自然海浜全体を守ることを目指しています。

日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/
参加人数:28人