慶野松原 地元中学校にて「人と海浜環境との豊かなつながり」をテーマに 講習会を開催しました
慶野松原(けいのまつばら)は、兵庫県南あわじ市の西海岸にある、美しい自然が広がる名勝地です。南北約2.5kmにわたって白い砂浜と約5万本の淡路黒松が続き、「白砂青松」として知られています。 地元の中学校では、毎年1回、慶野松原で海岸掃除を行っています。この活動はおよそ50年前から続く、学校の伝統行事となっています。6月6日に行われるビーチクリーン活動に先立ち、慶野松原の自然環境について、また環境保全に関わる方々の活動について学ぶための講習会を行いました
2025.08.13

イベント概要
・開催概要: 慶野松原 「人と海浜環境との豊かなつながり」講習会
・日程:2025年5月29日 14時~15時
・開催場所: 慶野松原
・参加人数: 210人
・協力団体: 淡路島ちどり隊、慶野松原盛上げて委員会、慶野松原根上がり隊
慶野松原の自然と人のつながりを学ぶ
はじめに話してくださったのは、「慶野松原盛上げて委員会」の谷池さん。イベントを通じて地域を活性化しつつ、浜の環境保全にも力を入れています。かつて慶野松原は、シロチドリという鳥の繁殖地でした。今ではその姿は見られませんが、「淡路島ちどり隊」として、近隣の浜での調査や保護活動を続けています。
続いては、「慶野松原根上がり隊」のゼルニクさん。2013年に地元出身の同級生3人で活動を始め、今では月1回のビーチクリーン、松苗の植樹、学校での体験学習などを行っています。今年は案内所もでき、地元ガイドによるツアーも始まりました。松原の魅力を伝える活動が、地域内外に広がっています。
最後に登場したのは、長年シロチドリの調査を行ってきた山崎博道さんと竹田俊道さん。50年前から兄弟で淡路島全体のシロチドリの数を調べてきました。その結果、数は昔の3分の1にまで減っていることがわかりました。「慶野松原にとってシロチドリは大切な存在だった」と語る言葉が印象的でした。
活動を通して、みなさんが大切にしている思いが伝わってきました。自然を守ることで、人との出会いやつながりが生まれる。自分の住む場所をもっと知ることで、愛着や誇りが育つ。そんなメッセージが込められていました。
6月6日 伝統行事であるビーチクリーンを実施
6月6日には、慶野松原の地元中学校の生徒約200人が夏の海開き行事に先立ち、慶野松原のビーチクリーン活動が行われました。生徒達によって慶野松原の砂浜は、部活の練習場でもあり、遊びや癒しの場でもある、親しみのある場所です。
この活動は、生徒会の活動として始められて以降毎年行われ、今年で59回目を迎えました。準備や進行、そしてゴミ拾いも、中学生たちが積極的に取り組んでいる様子が印象的でした。
清掃作業の後には、「慶野松原盛上げて委員会」から「淡路島コーヒー牛乳」が配布され、さらに慶野松原根上がり隊のメンバーによる「戻っておいでチドリ」の歌が披露されました。
地域の人々に支えられながら、慶野松原を思う気持ちが、世代をこえて受け継がれていることを感じる日でした。

<団体概要>
団体名称 :淡路島ちどり隊
URL :https://www.awaji-chidori.com
活動内容 :百人一首「淡路島かようチドリの鳴く声に…」でお馴染みのチドリ。浜辺をちょこちょこ歩く姿がなんとも可愛らしい鳥です。しかし、シロチドリはここ50年ほどでその数は3分の1にまで激減。兵庫県において、絶滅の危険性が一番高いレッドデータブックAランクに指定されています。チドリに必要な環境は、島の豊かな海浜そのもの。「淡路島ちどり隊」は、チドリの保全を通して淡路島の自然海浜全体を守ることを目指しています。

日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/
参加人数:210人