慶野松原地元中学校にて「淡路島の海浜環境」をテーマに研修を行いました
慶野松原(けいのまつばら)は、兵庫県南あわじ市の西海岸にある、美しい自然が広がる名勝地です。南北約2.5kmにわたって白い砂浜と約5万本の淡路黒松が続き、「白砂青松」として知られています。2025年8月5日、慶野松原にて、中学校の理科の先生を対象に「淡路島の海浜環境」をテーマとした研修が開催されました。午後13時半から15時までの1時間半にわたり、淡路島の自然海岸の現状や課題について、専門的かつ実体験に基づいた学びが深められました。参加者は8名。協力団体として「淡路島ちどり隊」と「慶野松原盛上げて委員会」が加わり、地域に根ざした視点からの学習の場となりました。
2025.10.08

概要
・開催概要: 慶野松原 地元中学校にて「淡路島の海浜環境」についての研修
・日程: 2025年8月5日 13時半~ 15時
・開催場所: 慶野松原
・参加人数: 8人
・協力団体: 淡路島ちどり隊、慶野松原盛上げて委員会
ちどりの現状と保護活動
まず、淡路島に生息するシロチドリをはじめとしたチドリ類の種類や生態について紹介が行われました。慶野松原盛上げて委員会で活動しながらも保全活動を行う谷池氏からは、現在進められている保護活動や、営巣地保全の重要性について具体的な取り組みが語られました。
記録映像と証言
続いて、山崎氏から提供された当時のビデオを上映。これにあわせて山崎氏と竹田氏が当時の状況や自然環境の変化について解説しました。三原川に関する説明では、かつての氾濫や干潟におけるチドリの採餌行動が紹介されました。しかし、河川改修によりチドリの生息環境が失われたこと、また土砂供給が減少し砂浜が痩せている現状も語っていただきました。
慶野松原の植物や生き物たち
竹田氏からは、慶野松原に広がる海浜植物や昆虫について、豊富な写真を用いながら丁寧な解説が行われました。参加者はスライドに映し出される植物や昆虫を目にしながら、それぞれがどのように砂浜の生態系を支えているのかを学びました。
竹田氏は「海浜環境は時代とともに形を変え、その環境にあった海岸の植物や昆虫も変わってきている」と語りました。写真を見ながら、慶野松原の砂浜が単なる観光地ではなく、多様な命が息づく生態系そのものであることを実感しました。
参加者へのメッセージ
今回の研修では、単に現状を知るだけでなく、「地元の方々の理解がなければ環境は守れない」という視点から、環境教育の重要性を伝えました。淡路島の自然は豊かである一方、「知らないうちに失ってしまう」危うさも抱えています。だからこそ、まずは知ることが出発点です。環境教育の在り方を考えるきっかけにもなりました。
<団体概要>
団体名称: 淡路島ちどり隊
URL: https://www.awaji-chidori.com
活動内容: 百人一首「淡路島かようチドリの鳴く声に…」でお馴染みのチドリ。浜辺をちょこちょこ歩く姿がなんとも可愛らしい鳥です。しかし、シロチドリはここ50年ほどでその数は3分の1にまで激減。兵庫県において、絶滅の危険性が一番高いレッドデータブックAランクに指定されています。チドリに必要な環境は、島の豊かな海浜そのもの。「淡路島ちどり隊」は、チドリの保全を通して淡路島の自然海浜全体を守ることを目指しています。

日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/
参加人数:8人