写真提供：市川光太郎

イベント概要

・開催概要：島の高等学院（沖縄県宮古島市）で、会場とオンライン配信のハイブリッド形式でサイエンスカフェを開催しました。本イベントは、沖縄に生息するジュゴンをテーマに、研究者による最新研究や、地元漁師によるジュゴンの文化的背景の紹介、参加者同士の自由な意見交換を目的としたものです。
・日程：2025年6月7日（土）17:30 – 19:30（オンライン視聴は2025年6月28日まで）
・開催場所：島の高等学院（沖縄県宮古島市）
・参加人数：50名
・協力団体（なければ記載不要）：株式会社蟹蔵、島の高等学院

【ジュゴンとはどんな動物か】

前半は、日本のジュゴン研究者によって、ジュゴンの生態や特徴をわかりやすく解説しました。さらに、近年進んでいる「鳴音（鳴き声）」の研究成果についても紹介しました。録音したジュゴンの声を実際に聴きながら、どのようにコミュニケーションや行動を分析するかを解説し、研究の面白さや課題を共有しました。

【沖縄での目撃情報と海の変化】

続いて、沖縄でのジュゴンの目撃情報や、地域の人々との関わりの歴史を振り返りました。
かつては漁業で利用されることもあったジュゴンが、現在は数を減らしている背景には、沿岸開発や海の環境変化があります。
「おじいの若い頃には、すぐ近くにジュゴンがたくさんいた」というお話には驚きの声も上がり、地域の海の変化を参加者全員で考えるきっかけとなりました。

【参加型の座談会を実施】
参加者と専門家が輪になって座談会を開きました。主なトピックは以下の通りです。
•鳴き声で何がわかるの？ ～ジュゴンの「おしゃべり」を聴いてみよう～
•「ほとんど見られないジュゴン」の保全、なぜ大事なの？
•私たちにできるジュゴンへの配慮ってどんなこと？
講師陣が質問に答えながら進行し、小学生から大人まで、幅広い世代が自由に意見を交わしました。
ジュゴンをテーマにしたサイエンスカフェは、専門家と地域住民、来島者が一緒にジュゴンと沖縄の海の未来を考える場となりました。今後もこうした対話の機会を通じて、私たちの暮らしと海のつながりを見つめ直し、豊かな自然を次の世代へ伝えていくことを目指します。

参加者からの声

•ジュゴンがいる地域の紹介や、鳴き声などを知ることができて、勉強になりました
•いつか宮古島でジュゴンを見てみたくて、参加しました。なぜジュゴンを守る必要があるのか、生物多様性保全の意義についての紹介が印象に残りました。
•昔はジュゴンがたくさんいたことに驚きました。宮古島の海は彼らにとって暮らしやすい環境だったのですね。
•ジュゴンみたいです！知人、友人にいっぱい広めていきます。
•移住して三十年経ちますが、ジュゴンのことは聞いたことがなかったので、参加しました。研究者の方のお話を聞けて大変勉強になりました。
•昔はジュゴンを食べていたことを知って、驚きました。宮古島では今も目撃情報があるとのことなので、自分の目で見てみたいと思いました。
•保全とはまず知るところから始まる、という講師の言葉が印象的でした。ジュゴンを知らない人や生物に興味のない人もたくさんいるので、その人たちに知ってもらえるようなアプローチは大変重要だなと思いました。

＜団体概要＞

団体名称 ：一般社団法人マナティー研究所
URL ：https://www.manateelab.jp/
活動内容 ：マナティー研究所は、体の大きな水生ほ乳類マナティーをはじめ、生きものを大切に思う仲間たちが活動している学術団体です。マナティーやジュゴンの研究者、学校の先生など、いろんな分野のメンバーが参加しています。私たちは、アマゾンやアフリカなど、世界でマナティーの研究や保全をすすめています。そして、活動で得た知識や経験を生かして、知ること、考えること、伝えること、行動することにつながる環境教育プログラムを開発、実践していくことを目指しています。

TikTok（@manateelab）: https://www.tiktok.com/@manateelab
X(@manateejames): https://x.com/manateejames
Instagram(@manatee_james): https://www.instagram.com/manatee_james/

日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/

参加人数：50人